ENEOSが、NEDOのグリーンイノベーション基金事業(GI基金)に採択され、CO2を原料とした合成燃料の製造技術開発を進めている。
目次
技術内容
逆シフト反応によりCO2、水素から合成ガス(CO、H2)を生成し、FT合成により合成粗油を製造する。
合成粗油を精製し、ガソリン、ジェット燃料、軽油等の液体燃料を製造する。
当初は、直接合成(Direct-FT)法のような「合成燃料の革新的製造技術」の開発をメインに据えていたが、確実に開発できるように既存技術である、逆シフト反応とFT合成プロセスを2段階に分けて行なう手法をメインに切り替えたとしている。
逆シフト反応とは、CO2を水素と反応させ、一酸化炭素に変換する反応である。
FT合成は、合成ガスから触媒反応を用いて液体炭化水素を合成する一連の過程である。触媒としては鉄やコバルトの化合物が一般的である。
事業化計画・スケジュール
今後、小規模プラント検証、スケールアップした大規模パイロットプラント検証を通じて、プロセス全体の早期技術確立を目指すとしている。最終的には、液体燃料の収率を80%以上に向上させることが目標。
上記スケジュールを経て、将来的には2040年頃までの自立商用化を目指している。
実施企業・連携先
- ENEOS
補足情報
大阪ガス:米国中西部でバイオマス由来CO2を用いた合成メタン製造
大阪ガスの米国子会社が、現地エネルギー企業、バイオエタノール企業と、米国中西部で合成メタン(e-メタン)製造事業の実現可能性検討を開始した。2030年までに、合成メタンをフリーポートLNG基地にて液化し日本へ輸出する事も視野に、年間最大20万トンの合成メタンの製造を開始することを目指している。
積水化学工業:可燃ごみをエタノールに変換する実証プラントを建設
積水化学工業がLanzaTech社(米国)と共同開発した、微生物を活用して可燃性ごみをエタノールに変換する技術(BRエタノール技術)の実証事業の実施を進めている。標準的な規模のごみ処理施設が処理するごみの1/10程度の量(約20t/日)を原料とし、エタノール1~2kL/日を生産する。
大成建設:CO2排出マイナスの環境配慮型コンクリートを自社施設外の門塀に適用
大成建設が、環境配慮型コンクリート(T-eConcrete)を、自社施設以外では初めてとなるSMC下妻第2工場の門塀に適用した。T-eConcreteは自社施設の壁部材、現場打ち舗装および舗装ブロックに適用されてきたが、コスト面でのメリットづくりや建設時のルール整備が追い付いていないことから、現状は普及は進んでいない。