はじめに

2020年10月、当時の菅総理が「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガス排出を全体としてゼロとする目標を掲げました。従来の政府方針の大幅な前倒しとなるこの目標の達成には、従来の取り組みの延長線に加えて、革新技術の開発・社会実装が必要不可欠です。

現在、日本ではグリーンイノベーション(GI)基金等を活用しながら、官民で野心的なCCUSプロジェクトが進められています。海外では、欧米を中心に更に大規模なCCUSプロジェクトが始動し、もう既に商用化に至っている例もみられます。

CCUSとは「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、発電所や工場から分離・回収したCO2を利用しようというものです。CCSのような回収CO2の貯留だけでなく、新たな商品やエネルギーに変えていくものとなります。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁

2023年2月、「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。脱炭素に向けた民間投資を後押しするため、「GX経済移行債」という新たな国債を来年度から10年間で20兆円程度発行することを予定しています。また、官民投資全体で今後10年間で150兆円規模を目指すとしており、今後も数多くのプロジェクトが始動されていくことでしょう。

「CCUS NAVI」は、国内外のCCUSプロジェクトを紹介し、技術概要や開発進捗をウォッチするサイトです。