積水化学工業がLanzaTech社(米国)と共同開発した、微生物を活用して可燃性ごみをエタノールに変換する技術(BRエタノール技術)の実証事業の実施を進めている。
目次
技術内容
積水化学工業とLanzaTech社が共同開発したBRエタノール技術を利用して、可燃ごみからエタノールへ変換する。
可燃ごみを分別することなくガス化し、このガスをCO、水素に精製する。
LanzaTech社の微生物ガス発酵技術により、化学触媒や熱・圧力を用いることなくエタノールに変換する。
標準的な規模のごみ処理施設が処理するごみの1/10程度の量(約20t/日)を原料とし、エタノール1~2kL/日を生産する。
事業化計画・スケジュール
上記プロセスの検証のため、岩手県久慈市に実証プラントを建設したことを、2022年4月11日に発表している。
2025年度頃の商用プラント初号機導入を目標に、事業化を目指すとしている。
積水化学は、住友化学と協業し、このプロセスで製造したエタノールをエチレンに、さらにプラスチック製品に変換する構想を持っている。また、エタノールからエチレン、さらにSAFに変換することも検討している。
実施企業・連携先
- 積水化学工業
- LanzaTech
- INCJ
- 積水バイオリファイナリー
- 三菱重工環境・化学エンジニアリング
補足情報
大阪ガス:米国中西部でバイオマス由来CO2を用いた合成メタン製造
大阪ガスの米国子会社が、現地エネルギー企業、バイオエタノール企業と、米国中西部で合成メタン(e-メタン)製造事業の実現可能性検討を開始した。2030年までに、合成メタンをフリーポートLNG基地にて液化し日本へ輸出する事も視野に、年間最大20万トンの合成メタンの製造を開始することを目指している。
ENEOS:CO2からの液体合成燃料一貫製造プロセス技術開発
ENEOSが、NEDOのグリーンイノベーション基金事業(GI基金)に採択され、CO2を原料とした合成燃料の製造技術開発を進めている。逆シフト反応によりCO2、水素から合成ガス(CO、H2)を生成し、FT合成により合成粗油を製造する。合成粗油を精製し、ガソリン、ジェット燃料、軽油等の液体燃料を製造する。
大成建設:CO2排出マイナスの環境配慮型コンクリートを自社施設外の門塀に適用
大成建設が、環境配慮型コンクリート(T-eConcrete)を、自社施設以外では初めてとなるSMC下妻第2工場の門塀に適用した。T-eConcreteは自社施設の壁部材、現場打ち舗装および舗装ブロックに適用されてきたが、コスト面でのメリットづくりや建設時のルール整備が追い付いていないことから、現状は普及は進んでいない。